鬼嫁返上
なんとか同じ屋根の下で居る時間を減らそうと焦るほど裏目に出ることにすっかり疲れた私は、しばし休戦状態に入らざるを得なかった。

そして、せめてリハビリのデイサービスに申し込んだ。
午前9時前後にお迎えに来てくれて12時半頃帰って来る。

毎日、「そろそろお迎え来るよ」「何が?」「ポラリスさん」「ポラリスてなに?」「スポーツジムみたいな機具を使って運動するとこ」「へー、オレ行ったことないな」(アホかいな、毎日行ってるのに、ええ加減覚えよ)グッと押さえて、「そうか〜〜毎日行ってんやけど〜
」こんな問答が早いもので3カ月も続いたのか、、
未だになにも覚えないけれど、お迎えの人には、「あーどうも!」とニコニコ愛想がいいし、何よりこの頃は進んで行くようになった。

スタッフの皆さんが明るくて何より絵に興味を持ってくれて、
なんと鬼の面やカエルの置物をスケッチするまでになった。
出来映えは絵に関してはプライドの高い夫のこと、「しょーもな」と気に入ってないようだが、
そら昔と比べたらアカンわ。

今また一つ、仕方ないという諦めと、淡々と接するという階段を登れた気がする。

あしたまた、もう少し長い時間預かっくれるデイサービスの見学に行きます。

ひとまず鬼嫁を返上しようと思う。

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# by en-minoh | 2018-02-19 13:23
鬼嫁(8)
取り敢えず、ケアマネさんの紹介で行ったところは、箕面にこんな所が!と思われるステキな所だった、山の林を縫うように進んでいくと、レンガ造りの建物が!まるで外国に来たみたい。

それもそのはず、万博の年にフランス人の神父さまが建てたということでした。
夫もスゴイなあ!と感嘆していた。

さて、体験ショートステイ、寒い日でした。車でお迎えがあり、まもなくお電話があり、「お怒りが激しくて血圧も計らせてくれないのです、お返ししてよろしいでしょうか?」

「アーすみません、どうぞ」

寒さと冬の山の中、なんとなく悪い予感はしていたのです。
焦りは裏目に出ますね。



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# by en-minoh | 2018-02-18 14:05
鬼嫁(7)
さて、川柳、ゴルフ、この2つしかない趣味をもぎ取られた夫、
”亭主、元気で留守がいい”の真逆の日々が再び始まった。
大きく違うところは、私は一度、天国極楽を味わってしまったということです。
腹だたしさは倍倍増し、眉間の皺は花の種が植えられるかと思うくらい深くなってしまった。

反対にいままで、
眉間に皺を寄せて不味そうに食べていた夫はこの頃ウワァ〜スゴイ、美味しいわぁ(おまえは、オネエか)
ウーアー、ズルズル、(ウルサイ黙って食えっ)

今の私の料理は、料理って言えるものでなく、そこらにある物をぶち込んであるだけの”ぶち込み料理なので、それを上手いと言われると、かえって神経が逆立つのである。
もっとまともな時に褒めて置くべきやったね。
ことごとく噛み合いません。
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ぶち込み料理と言えど一度楽をしてしまったこともあり、3度3度用意するのはかなり大変で、私の鬼嫁度も頂点に達し、ついに胃がキリキリと痛みだした。

アカン、とりあえず寝る!と夫と息子に宣言して、店にあった玄米クリームを舐め、水だけで寝てると痛みは取れた。
思えば、クソ〜ッと腹を立てる度に食べるものを口に放り込んでいた。

お昼、弁当届けてもろたらええやん、と息子が言った、息子夫婦は近くにいてもこの説明し難いニュアンスを伝えられないのが辛く歯痒い。
でも、それもありか。ケアマネさんに言うとすぐに高齢者向けのお弁当の宅配を紹介してくれた。


まず試食、
これがまた、「えー、これ食べてエエの
スゴイ、スゴイ、美味しい!」
この賛辞が毎回、店やもんの弁当をバカにしていたオッさんと同一人物なのか?

夫だけお弁当にしてみて、思いのほかラクになった。
若いもんの言うことも、頭から否定せずに聞いてみるもんですね。

取り敢えず、いままで週2日行ってたデイサービスを毎日にして、ショートステイを探すことにした。

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# by en-minoh | 2018-02-15 10:41
排除の論理
ホーム長から電話。
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ヒロスさん家に帰りたいと言われ、お引止めしたら、ここは自由に家にも帰られへんのか!とステッキを振り回しはるんです。

出た、本性!

言い出したらきかないので、帰らせて下さいというしかない。ハラワタは沸騰している。一度天国極楽を味わった身としては、なんとか排除したいというのが本音。家とホームであの手この手で止まらせようとするのだが、どこにあんなエネルギーが有るのだ、夏の炎天下、1日3往復する。
いつも夏は脳ミソが溶けるような気がすると言ってたくらい夏が苦手な筈なのにウソやったんかいな、と腹だたしい。

百合子さん、やはり人間の排除は難しいですよね、私も失敗しました。


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# by en-minoh | 2018-02-10 20:04
鬼嫁(6)
いくら血の滴るような上質なお肉のステーキでも毎日食べさされるとどうだろう。ホームの入所者さんもはじめは、素敵ねえ!どうやって描いているのですか?などと興味を示してくれたようです。しかしほとぼりが冷めると手持ちぶさたという状況をなす術を持たない夫は歌を忘れたナントヤラ、かわいそうなものです。
思うに、約50年という年月、スポンサーから発注があり、内合わせがあり、締め切りがないと「アイデア」というホルモンが分泌しない脳の構造になってしまったのではないか。
だから、さあ!時間はたっぷりありますよ、思うように、好きなように描いてくださいと言われても描けるものでもないのだろう。
同じように絵が上手く、けれど病弱で仕事をしない父親を反面教師として無茶苦茶仕事をした結果がこうだとしたら余りにも詰まらないではないか。
今更手遅れであるが、実害が‼︎
夫が家に帰りたいと言い出した。
エライこっちゃミイ、寝てる場合やないよ、

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# by en-minoh | 2018-02-05 18:10